一般社団法人の主たる事務所の所在地についてのQ&A
一般社団法人の「主たる事務所の所在地」とは、法人の主な活動拠点となる場所を言います。
株式会社であれば本店と呼ばれている「本社の住所」と同じ意味です。
主たる事務所の所在地は、法務局で登記されて登記簿謄本や法人印鑑証明書に記載されますので、正確な住所が求められます。
住所を書く際に「東京都中央区日本橋1-2-3」と省略して書くことが多くありますが、ハイフンなどで省略はせずに「東京都中央区日本橋一丁目2番3号」などのように正しい住居表示で登記するほうがよいでしょう。
また、ビル名やマンション名などの建物名や部屋番号を入れないと郵便物が届かないことがありますので、なるべく部屋番号まで入れて登記することをおすすめします。
一般社団法人設立後には、法人番号指定通知書や税務署、税事務所、年金事務所などの役所からさまざまな書類がこの主たる事務所宛に送られてくるようになりますので、受け取れないことがないように注意してください。
郵便ポストに一般社団法人の名称を表示することはもちろんですが、郵便局に「転居届」を提出すると一般社団法人名宛の郵便物がきちんと届くようになります。
主たる事務所の所在地は定款記載事項ですので、定款には必ず所在地を記載しなければなりません。
定款に記載する主たる事務所の所在地は、正確な住所を記載しても構いませんし、省略した「最小行政区画」までの記載でも構いません。
最小行政区画とは、簡単に言うと全国の市町村のことで、東京都は23区、政令指定都市は市です(郡は町名まで必要)。
<最小行政区画の例>
- 東京都中央区
- 東京都西東京市
- 兵庫県神戸市
- 大阪府泉南郡熊取町
住所を正確に記載するか、最小行政区画で記載するかの違いは、法人設立後に法人が移転した際に、定款変更が必要になるかどうかだけです。
例えば、定款に『東京都中央区に置く』と定めた場合、東京都中央区内で移転するのであれば定款変更は不要です。
もちろん東京都中央区以外へ移転する場合は、定款変更が必要になります。
同じように定款に『東京都中央区日本橋一丁目2番3号に置く』と定めた場合は、たとえ隣のビルに移転しても定款変更が必要です。
定款変更を行うには、社員総会を開催しなければなりませんので、手間がかかります。このため、定款の主たる事務所の記載は最小行政区にとどめておくことが一般的です。
ただし、定款の記載方法に関係なく、登記する際は正確な住所で登記することが求められています。
主たる事務所をどこに置くかを決めるのは、一般社団法人を設立する前と後で異なります。
一般社団法人設立前は、設立時社員の同意で決定します。設立時社員とは、一般社団法人の設立者のことです。設立時社員が2名以上集まって、一般社団法人の定款を作成したり、主たる事務所の所在地を決定したりします。
一般社団法人設立後は、定款変更を伴うかどうかで決議機関が異なります。
1.定款に主たる事務所の所在地を「最小行政区画」まで記載している場合
定款に主たる事務所を『東京都中央区に置く』というように、最小行政区画までしか記載していない場合。
①「東京都中央区」内で移転する場合
定款変更は要りませんので、理事会において移転先の具体的な住所と移転日を決定します(理事会を置いていない法人は理事の決定)。
②「東京都中央区」から移転する場合
定款変更が必要ですので、まずは社員総会を開催して定款変更の決議を行います。そして、具体的な移転先の住所と移転日は、理事会で決定します(理事会を置いていない法人は理事の決定)。
2.定款に正確な住所を記載している場合
定款に主たる事務所の住所を正確な住所で記載しているのであれば、必ず定款変更を行わなければなりません。
社員総会を開催して定款変更の決議を行います。そして、具体的な移転先の住所と移転日は、理事会で決定します(理事会を置いていない法人は理事の決定)。
どこに主たる事務所を置くのか、特に制限はありませんので、自宅でも賃貸で事務所を借りても構いません。
自宅を主たる事務所とするのであれば、一軒家の持ち家であれば問題はありませんが、マンションであれば、管理組合で使用用途が制限されている場合がありますので、事前に確認をしたほうがよいでしょう。
自宅を賃貸契約しているのであれば、居住用として契約しているはずですので、大家さんや管理会社に事業用として住所を使用できるか確認が必要です。
どこかに事務所を借りる場合は、契約する前に事務所として使用できるかはもちろん、住所が登記できるかを確認して、承諾をもらっておきましょう。
特にレンタルオフィスやバーチャルオフィスでは、法人登記ができなかったり、法人登記が賃料とは別料金だったりすることもあります。
一般社団法人設立前に契約することになりますので、個人名義で賃貸契約をし、設立後に法人名義へスムーズに切り替えることができるかも確認しておきましょう。
注意点としては、同じ住所に同じ名称の一般社団法人を登記することはできません。
主たる事務所を決めるときは、必ず同じ住所に同じ名称の一般社団法人が存在しないかを法務局でチェックをすることや、インターネットで似たような名称が近隣に存在していないかを確認することをお勧めします。
一般社団法人設立後でもいつでも変更が可能です。
設立を急いでいたのでとりあえず自宅を主たる事務所にした場合や、やっぱり事務所を借りたので移転したい場合など、一般社団法人設立後に様々な事情からすぐに移転を検討される方も多くいらっしゃいます。
主たる事務所はいつでも変更できますが、変更するには法務局への登記申請が必要です。もちろん登記手続きに必要な書類を作成しなければなりません。
費用は、現在の主たる事務所を管轄している法務局と同じ管轄内に移転するのであれば、登録免許税は3万円ですが、管轄が異なる法務局へ移転する場合は、登録免許税は6万円もかかってしまいます。
また、移転に伴い税務署や年金事務所などにも移転の届出をしなければなりませんので、主たる事務所をどこに置くかは、設立後のことも考えて慎重に決めるようにしましょう。
*参考ページ:主たる事務所移転手続きについて / 従たる事務所の設置手続きについて
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