一般社団法人設立の流れ・フローを公益法人制度の専門家がわかりやすく解説

一般社団法人設立の手続き|全体の要点

  • 設立手続きは全部で7ステップ(定款作成 → 公証人認証 → 設立登記 → 各種届出)
  • 設立に必要な人数は最低2名(社員2名/理事との兼任可)
  • 設立期間は約3〜4週間(書類準備+登記完了まで)
  • ご自身での設立も、行政書士・司法書士への委任も可能
  • 法務局へ登記申請した日が法人の成立日となる

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一般社団法人設立の流れ

当記事は、一般社団法人の設立を考えている方、一般社団法人の設立手続きの流れを詳しく知りたい方に向けて書いた記事です。

ページの前半で設立手続きの大まかな概要をお伝えし、後半からは、更に詳しく7つのステップに分けて詳細に解説してまいります。

それでは、どうぞご覧くださいませ。

◆「そもそも一般社団法人って何?」という方は ◆

「一般社団法人」という言葉を初めて聞いたという方や、まずは一般社団法人制度について詳しく知りたいという方に向けて、全容をわかりやすく解説したページをご用意しています。

下記ページと合わせてご覧いただくと、一般社団法人に関する理解がより深まりますので「一般社団法人のことってあんまり知らないな」という方は、下記ページを参考にしてみてください。

一般社団法人とは?どこよりもわかりやすく解説

行政書士津田拓也行政書士
社労士
津田 拓也

それでは、一般社団法人の設立手続きを7つのステップに分けて、詳しく解説していきます。

ご自身で設立される場合も、我々のような専門家に手続きを依頼される場合も、手続きの詳細を正確に把握しておくことで、設立完了までスムーズに進めることができます。

一般社団法人設立手続の流れ・フローは全部で7ステップ!

一般社団法人設立手続の流れ・フローは全部で7ステップ!

一般社団法人は、以下の7つのステップで設立することができます。

聞きなれない言葉が出てくるので、少々ややこしいとお感じになるかもしれませんが、どれも設立に不可欠な手続きです。

はじめての方でもご理解いただけるように、専門用語をなるべく使わずに、かみ砕いてご説明していくので、ぜひ参考にしてみてください。

それでは7つのステップを解説していきます!


STEP1:設立時の社員(2名以上)が集まって法人化を決定

一般社団法人を設立するには2名以上の人(または法人)が必要になります。一般社団法人の必須機関として「社員2名以上の社員総会」「1名以上の理事」を置くように定められています。

では「3名必要ではないのか・・・?」と思われるかもしれませんが、社員と理事は兼任できますので、設立は2名で可能です。

一般社団法人は、社員総会や理事のほか「理事会」「監事」を置くこともできます。

設立時に理事会を設置する場合は、理事3名以上、監事1名以上が要件となり、最低4名以上の人員が必要です。

しかしながら、理事会を設置するか否かは任意です。つまり、自分たちで自由に決めることができます。

少人数体制でスピーディーに活動を行いたい方は理事会の設置はせずに、比較的中規模・大規模な法人を作りたい方は、理事会を設置されると良いでしょう。

理事会を設置した方が対外的信用は高くなる傾向にあります。

株式会社の取締役会と同じようなものだと思って頂ければイメージは湧きやすかと思います。

まずは2名以上の社員で、法人の基本事項(名称、事業目的、事務所の所在地等)を決めていきます。

なお、設立時社員は個人だけでなく、法人もなることが可能です。設立時社員は設立に関する事務手続きを行い、設立完了後はそのまま一般社団法人の「社員」となります。

社員とは一般社団法人の構成員であり、従業員やスタッフという意味ではありません。設立後は一般社団法人の意思決定機関である社員総会での議決権を持つことになります。

STEP2:定款の作成

法人の設立内容が具体化されたら、一般社団法人の運営・活動の根本規則となる「定款」を作成していきます。

定款は設立時社員が共同して作成し、社員全員が定款に署名または記名押印を行わなければなりません。

定款には法人の名称、目的、主たる事務所の所在地、事業年度などを定めますが、合わせて設立時理事、設立時代表理事、設立時監事等を定款において定めておけば、別途理事等を選任する必要がなくなり、その後の設立登記手続きも簡素化されます。

定款には、法人の名称や目的、事務所の所在地、設立時社員の氏名など、絶対に記載しなければいけない事項(絶対的記載事項)があり、一つでも記載が欠けた定款は無効となります。

無効=設立できないということになりますから、作成は慎重に行いましょう。定款原案の作成時には、他の一般社団法人の定款を参考にする、あるいは公益法人制度の専門家に相談されると良いでしょう。

定款は法人を運営していく上で大変重要な書類になりますので、必要であれば専門家に作成の依頼をすることも検討しましょう。

STEP3:公証人役場で定款の認証を受ける

定款が作成できたら管轄の公証役場で定款の「認証」を受けます。定款の認証とは、法的な手続きに則って定款が作成されたこと、定款が適法であることを公証人が証明することをいいます。

一般社団法人の定款は公証人の定款認証を受けなければ効力を生じません。認証を受けていない定款を法務局に持ち込んでも設立はできませんので、定款原案が出来上がり次第、公証役場で定款認証を受けましょう。

公証役場は、全国各地にありますが、主たる事務所を設置する都道府県内にある公証役場であればどこでも構いません。

*関連ページ:公証役場の管轄(公証役場HP)

例えば、東京都内に法人の主たる事務所を置く場合は、東京都内にある公証役場であればどこでもOKです。

ご自身で設立手続きを行われる場合は何度か公証役場にも足を運ぶことになるかと思いますので、近隣の公証役場で定款認証を受けられるとよいでしょう。公証役場には、原則、設立時社員全員が出向きますが、代理人へ委任もできます。まったく関わりのない第三者にも委任することは可能ですが、通常は国家資格者である行政書士や司法書士などに依頼されることが多いでしょう。

尚、一般社団法人の定款には株式会社や合同会社のように、収入印紙(4万円)を貼りつける必要はありません。紙で作成しても電子定款で作成してもどちらでも費用に変わりありません。

STEP4 設立書類の作成

定款の認証が終わったら、法務局への設立登記申請に必要な書類を作成していきます。

定款には一般的に設立時役員(理事・監事・代表理事)を定めていることが多いですが、定めてない場合は必要に応じて選任し、書類を作成していきます。

定款に主たる事務所所在場所(法人の住所)を詳細に定めていない場合は、所在場所を決定した書面も必要です。

【一般社団法人設立の主要な必要書類】

  • 定款
  • 主たる事務所所在場所の決定に関する決議書(設立時社員の決議書)
  • 設立時理事及び設立時監事の選任に関する決議書(設立時社員の決議書)
  • 設立時役員の就任承諾書
  • 設立時役員の印鑑証明書
  • 設立時代表理事選定書
  • 委任状(代理人を立てる場合)
  • 印鑑届出書
  • 印鑑カード交付申請書 etc...

一般社団法人の設立に必要な全書式はこちら

■■■法人実印を作ろう!■■■

次のステップでは、いよいよ設立登記申請に入ります。設立登記申請書類には、設立する法人の「法人実印」を押印する必要があります。また、その法人実印は、法務局に届け出る必要があります。

法人実印の届出には前述の「印鑑届出書」を利用します。法人実印は最寄りのハンコ屋さんで購入しても良いですし、ネットショップでも販売していますので、どちらかを利用して揃えておきましょう。

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STEP5:主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記の申請

全ての書類が準備できたら、主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記の申請を行います。

例えば東京都であれば、ほぼ区ごとに法務局の管轄が設定されていますので、管轄の法務局を間違わないようにしましょう。

*関連ページ:法務局の管轄(法務省HP)

「法務局へ登記を申請した日(登記書類を提出した日)」が「法人の成立日※」です。

※法務局の閉庁日(土日祝日等)を一般社団法人の成立日(指定登記日)としたい場合は、指定登記日直前の法務局の開庁日の開庁時間内に申請書類を提出して受付されることで、指定登記日を一般社団法人の成立日とすることができます。

登記簿謄本には、上記の日付が一般社団法人の成立日として記載されます。一般社団法人の成立日から、一般社団法人としての活動を行うことができます。

書類が不足していると申請が受理されない事もありますので、設立前に法務局の窓口に書類一式を持参して、チェックしてもらえば、設立登記申請手続きを確実に進めることができます。

設立登記の申請は基本的に代表理事が行いますが、代理人へ委任もできます。この場合は代表理事からの委任状が必要です。

STEP6:登記完了後、登記事項証明書や印鑑証明書を取得する

法務局への設立登記の申請から登記完了まで通常1週間から2週間程度見ておけば良いでしょう。

登記申請時に窓口で登記完了予定日が知らされますので、その日までに法務局から何も連絡がなければ登記は無事完了しています。

完了予定日以降に法務局の窓口で「法人印鑑カード」を発行してもらいましょう。

法人印鑑カードは「法人の実印」「代表者の身分証明書」を持参すれば即日発行してもらえます。

この印鑑カードがあれば、法人印鑑証明書が取得できます。合わせて登記事項証明書も取得しましょう。

法人設立後、税務署等へ設立届や銀行口座の開設に法人印鑑証明書や登記事項証明書が必要になりますので、予め複数枚取得しておきましょう。

印鑑カードは設立登記申請をした法務局で発行してもらいますが、法人設立後は印鑑カードがあれば全国どの法務局でも取得できます。

登記事項証明書は、誰でも、全国どの法務局でも、取得できます。

STEP7:各役所へ法定の届出等を行う

法務局で「登記事項証明書」や「印鑑証明書」を取得したら、関係各庁の窓口に法人の「設立届」を行います。

税務署、都道府県税事務所、市区町村役場の3箇所には届出が必要なので気をつけましょう。
その他、年金事務所、公共職業安定所(ハローワーク)、労働基準監督署にも届出が必要な場合もあります。

ホームページから申請書類をダウンロードできる場合が多く、事前に書類を入手できます。提出期限が定められている書類もありますので、なるべく早めに準備しましょう。

特に税務署への届出は期限内に提出しないと税金面で不利になることもありますので、期限までに確実に行ってください。

また、法人の営業開始には法人名義の銀行口座の開設が不可欠ですので、こちらも法人設立登記完了後に速やかに手続きを開始しましょう。

法人口座の開設、税金、社会保険関係の手続きには「登記事項証明書(登記簿謄本)」や「印鑑証明書」が必要になりますので、あらかじめ、複数枚取得しておくとスムーズです。


一般社団法人設立手続き7ステップの解説はいかがでしたか?
今回のまとめとして、もう一度7つの手続きを確認しておきましょう。

【一般社団法人設立の7ステップ】

  1. 設立時の社員(2名以上)が集まって法人化を決定
  2. 定款の作成
  3. 公証人役場で定款の認証を受ける
  4. 設立書類の作成
  5. 主たる事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記の申請
  6. 登記完了後、登記事項証明書や印鑑証明書を取得する
  7. 各役所(税務署や年金事務所)へ法定の届出を行う

ぜひ、参考にしてください。

一般社団法人設立に必要な費用の内訳

一般社団法人をご自身で設立する場合の法定費用は約11万円です。株式会社(約24万円)の半額以下で設立できる点は、一般社団法人の大きな特徴のひとつです。

項目 金額 備考
公証人による定款認証手数料 約5万円 公証役場に支払い(電子定款・紙定款いずれも同額)
登録免許税 6万円 法務局に納付(設立登記時)
登記事項証明書・印鑑証明書等の実費 数千円 複数枚取得しておくのが一般的
合計(法定費用) 約11万円 専門家への報酬は含みません
  • 一般社団法人の定款には、株式会社・合同会社のように収入印紙(4万円)を貼付する必要はありません。紙定款・電子定款いずれも費用は変わりません。
  • 一般社団法人は資本金制度がなく、出資金は不要です。
  • 専門家に設立手続きを依頼される場合は、上記の法定費用に加えて報酬が発生します。

一般社団法人設立に関するよくあるご質問(FAQ)

一般社団法人は何人から設立できますか?

最低2名から設立可能です。社員2名以上と理事1名以上が必要ですが、社員と理事は兼任できるため、実質2名で設立できます。なお、設立時社員には個人だけでなく法人もなることができます。

一般社団法人設立にかかる期間はどのくらいですか?

標準的には約3〜4週間です。定款原案の作成、公証人による定款認証、法務局での設立登記申請、登記完了までを含めた目安です。

NPO法人(設立に約4〜6か月)と比較すると、大幅に短期間で設立できます。

設立費用はいくらかかりますか?

ご自身で設立される場合の法定費用は合計で約11万円です。内訳は、公証人による定款認証手数料が約5万円、登録免許税が6万円、登記事項証明書・印鑑証明書等の実費が数千円となります。

専門家に依頼される場合は、これに加えて報酬が発生します。

自分で設立できますか?それとも専門家に依頼すべきですか?

ご自身での設立は可能です。ただし、定款の絶対的記載事項に不備があると設立できないこと、普通型・非営利型の選択や社員・理事構成の設計など、設立前に整理しておくべき事項があります。

「定款の内容に不安がある」「普通型・非営利型のどちらで設立すべきか判断したい」という場合は、行政書士や司法書士など国家資格者への相談・依頼をご検討ください。

普通型と非営利型の選択は設立時に必要ですか?

設立時にどちらか一方を必ず選択しなければならないわけではありませんが、税制上の取り扱いが大きく異なるため、設立段階での検討をおすすめしています。

非営利型の要件を満たす場合、収益事業以外の所得は非課税となります。一方、普通型は株式会社と同様にすべての所得が課税対象となります。

設立後すぐに事業を開始できますか?

はい。法務局へ設立登記を申請した日が一般社団法人の成立日となり、その日から法人としての活動を開始できます。

ただし、法人名義での銀行口座開設や税務署・年金事務所等への各種届出は登記完了後(通常1〜2週間後)に行うため、それらの手続きが完了するまでは法人名義での取引等に一部制約が生じます。

設立までの流れを読んで、不安が残る方へ

一般社団法人の設立は、ご自身で進めることもできますが、 定款の内容、普通型・非営利型の選択、社員・理事の構成など、 設立前に整理しておくべき事項があります。

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この記事の執筆・監修者

最終更新日:2026年6月9日

行政書士・社会保険労務士 津田 拓也

行政書士法人・社労士事務所MOYORIC 代表

一般社団法人、一般財団法人、NPO法人等の非営利法人に関する設立・運営支援を行っています。法人設立手続だけでなく、設立後の社会保険・労働保険、労務管理、規程整備まで含めて、実務に即したサポートを行っています。

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