一般社団法人にかかる税金の種類

1.国税

国税とは国に納める税金のことで、主な税金に「法人税、消費税、特別法人事業税」があり、「税務署」が管轄となります。

(1)法人税

法人の収益事業から生じた所得(税金計算上の利益)に対してかかる税金です。

収益事業を行っていない非営利型法人や事業所得がない場合(赤字)は、課税されません。

税率は、普通型法人か非営利型法人で区別されています。

*参考ページ:普通型一般社団法人と非営利型一般社団法人の違いとは?

■非営利型法人(2019年4月以降開始事業年度)

  • 収益事業から生じた所得800万円以下の部分 税率15%
  • 収益事業から生じた所得800万円超の部分 税率23.2%

■普通型法人(2019年4月以降開始事業年度)

  • 所得800万円以下の部分 税率15%
  • 所得800万円超の部分 税率23.2%

(2)特別法人事業税

地方法人特別税が廃止され、2019年10月より新たに「特別法人事業税」が新設されました。2019年10月1日以降に開始する事業年度から適用されます。

国税の1つですが、法人事業税と合わせて都道府県へ納税します。

法人事業税(基準法人所得割額)に税率を乗じますので、法人事業税がなければ課税されません。

  • 法人事業税額(基準法人所得割額)✕税率37%

(3)消費税

消費税は物やサービスの消費に課税される税金です。

売上に対する消費税額から仕入等で支払った消費税額を控除して計算します。

基準期間(事業年度)の課税売上高が年間1,000万円を超えると消費税の納税義務者となります。

※その他、消費税の課税事業者となる要件については細かな規定がありますので、税務署または顧問税理士に確認してください。

2.都道府県税

都道府県税は、主たる事務所を置いている都道府県に納める税金で、「法人事業税、法人住民税」などがあり、都道府県税事務所が管轄となります。

(1)法人事業税

法人の事業所得に対して課される税金で、納付先は各都道府県になります。

収益事業を行っていない非営利型法人や事業所得がない場合(赤字)は、課税されません。

税率は各都道府県によって異なり、所得に応じて区別されています。詳しくは各都道府県のホームページで確認してください。

■東京都2019年10月以降開始事業年度の場合(年間所得等により超過税率有り)

  • 所得400万円以下 税率3.5%
  • 所得400万円超~800万円以下 税率5.3%
  • 所得800万円超 税率7.0%

(2)法人住民税

法人住民税は、法人の事業所がある各都道府県で事業を行っている法人に課される税金で、「均等割」と「法人税割」の二種類あります。

①法人住民の均等割

法人住民の「均等割」は、所得があるなしに関わらず法人区分に応じて課税されますので、赤字であっても納税義務があります。

各道府県により定められた金額を納めることになりますが、東京都では「都民税」といい年額2万円です。

東京都23区内に所在地がある一般社団法人は、「市町村民税(均等割)」分とあわせて都民税として都税事務所に納めます。

※非営利型法人で収益事業を行っていないと認められた場合、免除対象となる県もあります。詳しくは各都道府県のホームページで確認してください。

②法人住民税の法人税割

法人住民の「法人税割」は、法人税額を基準に税率が決められています。

税率は、各都道府県によって異なりますので、詳しくは各都道府県のホームページで確認してください。

収益事業を行っていない非営利型法人や事業所得がない場合(赤字)は、課税されません。

東京都23区内の所在地がある一般社団法人は、「市町村民税(法人税割)」分とあわせて都税事務所に納めます。

■東京都23区内2019年10月以降開始事業年度の場合(法人税額により超過税率有り)

  • 課税標準法人税額✕税率7.0%(道府県民税相当分1.0%+市町村民税相当分6.0%)

■東京都23区以外2019年10月以降開始事業年度の場合(法人税額により超過税率有り)

  • 課税標準法人税額✕税率1.0%

3.市町村税

市町村税は、主たる事務所を置いている市町村税に納める税金で「市町村民税(法人住民税)」があり、各市町村が管轄となります。

市町村民税の均等割

市町村民税の「均等割」は、所得があるなしに関わらず法人区分に応じて課税されますので、赤字でも納税義務があります。

各道府県により定められた金額を納めることになりますが、東京都では年額5万円です。

東京都23区内に所在地がある一般社団法人は、「法人住民税(均等割)」分もあわせて都民税として都税事務所に納めます。

※非営利型法人で収益事業を行っていないと認められた場合、免除対象となる市もあります(東京都は免除対象となりません)。詳しくは各市町村のホームページで確認してください。

市町村民税の法人税割

市町村民税の「法人税割」は、法人税額を基準に税率が決められています。

税率は、各都道府県によって異なりますので、詳しくは各都道府県のホームページで確認してください。

収益事業を行っていない非営利型法人や事業所得がない法人は課税されません。

東京都23区内の所在地がある一般社団法人は、法人住民税(法人税割)分もあわせて都民税として都税事務所に納めます。

■東京都23区内2019年10月以降開始事業年度の場合(法人税額により超過税率有り)

  • 課税標準法人税額✕税率7.0%(道府県民税相当分1.0%+市町村民税相当分6.0%)

■東京都23区以外2019年10月以降開始事業年度の場合(法人税額により超過税率有り)

  • 課税標準法人税額✕税率6.0%

【一般社団法人にかかる主な税金一覧】

税金の区分 税金の種類 備考
国税 法人税 利益に対して課税
特別法人事業税 法人事業税額に対して課税
地方税(都道府県) 法人事業税 利益に対して課税
法人住民税【均等割】 利益に関わらず一定額課税
法人住民税【法人税割】 法人税額に対して課税
地方税(市町村) 市町村民税【均等割】 利益に関わらず一定額課税
市町村民税【法人税割】 法人税額に対して課税

【東京都23区内・普通型法人「所得金額600万円」の場合】

(1)法人税額=600万円✕法人税率15%=90万円

(2)法人事業税=246,000円
 ①400万円以下の部分 400万円✕法人税率3.5%=14万円
 ②400万円を超え800万円以下の部分 200万円✕法人税率5.3%=106,000円

(3)特別法人事業税=法人事業税246,000円✕税率37%=91,000円

(4)法人住民税・法人税割=90万円✕7%=63,000円
 ※東京都23区内は「市町村民税・法人税割」と合わせて納付

(5)法人住民税・均等割=7万円
 ※東京都23区内は「市町村民税・均等割」と合わせて納付

  合計:1,370,000円

※上記は2019年10月以降開始事業年度における概算金額です(2020年1月現在)。消費税は含まれておりません。正確な税額計算等は必ず顧問税理士に相談の上、行うようにしてください。

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当ページは、一般社団法人設立手続きに付随する税務会計等の情報として、提供、公開しております。最新の税務・税法等に関するご判断及びお手続き、並びに具体的な税額等の計算については必ず、貴社顧問税理士にご相談の上、行って頂きますようお願い申し上げます。

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