一般社団法人設立の要件

一般社団法人の設立要件は、次の3つに分類することができます。

  1. 設立手続きに関する要件
  2. 機関(役員・人)に関する要件
  3. 運営その他に関する要件

一般社団法人をスムーズに設立する為には、これらの要件を全て把握しておく必要があります。

また、一般社団法人はその設立後の運営においても、遵守しなければならない事項がいくつか定められています。

当記事では、

  • 設立手続きはどこでどのように行うのか
  • 設立するには何名必要なのか
  • 社員、理事、理事会、監事などそれぞれの機関の役割は何なのか
  • 設立後も継続して行わなければならない手続きにどのようなものがあるのか

などを具体的に解説していきます。

それでは、見てまいりましょう。

1.設立手続きに関する要件

  • 一般社団法人の定款は設立時の社員が作成、公証人の認証を受けなければならない
  • 法務局で一般社団法人の設立登記手続きが必要

解説

一般社団法人は、法務局で設立登記申請を行うことによって設立されます。

法務局は全国各地にありますが、どこの法務局でも良いわけではありません。「主たる事務所を管轄する法務局」で行う必要があります。

「主たる事務所」とは、法人の拠点となる住所のことです。法人の拠点をどこに置くかで管轄の法務局が決まります。

《参考》一般社団法人の主たる事務所について

例えば、東京都中央区で設立する場合は、管轄法務局は東京法務局本局、東京都新宿区で設立する場合は東京法務局新宿出張所になります(法務局の管轄:法務省HP)。

公証役場での定款認証とは

一般社団法人は社員2名以上が集まって共同して定款を作成し、公証役場で認証を受けなければなりません。これを定款認証といいます。

法務局と同様で定款認証を受ける公証役場も管轄が決められています。

定款認証の管轄は、「主たる事務所を置く都道府県内の公証役場」です。先程の例で言うと東京都中央区、東京都新宿区に置く場合は東京都内にある公証役場であればどこでも構いません。最寄りの公証役場を選択されると良いかと思います。(公証役場の管轄:公証人HP)。

ちなみに、定款認証とは、適法に定款が作成されたことを公証人が証明することを言います。

この認証行為は公証人のみの権限とされておりますので、公証役場以外では認証を受けることはできません。また、公証役場で認証を受けていない定款は法務局では受理されません。

一般社団法人は、準則主義(上記の法的な要件を満たし、必要書類を揃えて登記手続きを行えば設立が可能。特別な許認可必要ない)を取っており、設立手続きの流れも、株式会社と非常に良く似ています。

一般社団法人設立の流れの詳細を確認したいという方は、下記ページも参考にしてください。

《参考》一般社団法人設立手続の流れ・フローは全部で7ステップ!

NPO法人とは何が違う?

一般社団法人と同じく非営利法人に分類されるNPO法人については、一般社団法人とは根本的に手続きの内容が異なります。

公証役場での定款認証は不要ですが、監督行政庁(認証権及び監督権を持つ行政機関、原則は都道府県知事又は市区町村長)から設立の認証を受ける必要があります。

《参考》一般社団法人とNPO法人との違いとは

2.「機関」構成についての主な要件

次に、人に関する要件を見てみましょう。

  • 社員(設立発起人)2名以上が必要
  • 理事(任期は2年以内)を必ず置かなければならない
  • 社員総会は必ず置かなければならない
  • 理事等は、社員総会の決議によって選任しなければならない
  • 理事等が欠格事由に該当していなこと(一般社団法人の役員になれない人:役員の欠格事由

解説

一般社団法人の設立には、2名以上の社員が必要です。社員とは、職員・従業員という意味ではありません。

一般社団法人法上の社員とは、一般社団法人の最高意思決定機関である社員総会で議決権をもつ人(又は法人)を言います。

分かりやすく説明すると、株式会社の「株主」のような存在です。とは言え、一般社団法人の社員は、株式会社の株主のように出資(株式発行の対価として金銭等を支払う)を行う必要はありません。

株式会社の株主は金銭等を払わなければ株主たる地位に付くことはできませんが、一般社団法人の社員は違います。社員になるために金銭等を支払う義務はありません(もちろん、自らが一般社団法人に掛かる経費を負担することは可能です)。

一方で、株主のように配当権等はありませんし、余剰利益や残余財産の分配を受けることもできません。

一般社団法人法上の社員とは、一般社団法人を支えていくサポーターのような存在です。

《参考》一般社団法人の設立時社員について

一般社団法人の必置機関とは

一般社団法人に必ず置かなければいけない機関は、「社員総会」「理事」です。

前述の通り、社員総会は、社員で構成される一般社団法人の意思決定機関です。

一般社団法人の組織運営、管理など、法人に関する事項について決議をすることができます。社員の議決権は原則1人1票ですが、各社員ごとに定めることもできます。

そして、理事は1名以上必要です。理事は社員総会から社員の決議によって選任されます。

理事が2名以上いる場合は、原則各理事が法人を代表しますが、理事の中から代表理事1名を決めることもできます。

最小人数は2名なので、夫婦で設立も可能

最小規模の一般社団法人の機関構成は「社員総会(社員は2名以上必要)+理事(1名)」となりますが、社員と理事は兼任できますから、最小人数2名で一般社団法人の設立は可能ということになります。

社員になれる者にはついては特に制限はありませんので、夫婦、親子、友人同士での設立も可能ということになります。

なお、一般社団法人は理事会を設置することも可能です。理事会を設置する場合は、理事が3名以上、監事が1名以上が必要です。

理事会を設置するかどうかは法人の規模、対外的信用の必要性等を考慮して決定します。

ただし、理事会を設置することによって、運営における事務負担も増えますので理事会を置くかどうかはそのメリット・デメリットを理解した上で決めましょう。

《参考》一般社団法人の理事会について

3.「運営」「その他」についての主な要件

その他、設立後の要件も法定されています。一般社団法人という法人格固有の特徴を設立前に正確に把握しておくことで、設立後の運営をスムーズに行うことができます。

  • 社員や設立者に剰余金、残余財産を受ける権利を与えてはならない
  • 行政に監督されることがなく、簡易な手続で設立が可能な代わりに、自主的、自立的な運営が必要
  • 事業年度毎の計算書類、事業報告等の作成、事務所への備え置き及び閲覧等による社員、評議員、債権者への開示が必要
  • 貸借対照表の公告が必要

解説

一般社団法人が営利を目的としない「非営利法人」とされているのは、社員への利益分配を目的としない法人だからです。

余剰利益や残余財産を社員に自由に分配できるのであれば、営利法人である株式会社と何ら変わらなくなってしまいます。

社員へ利益分配を行わないということだけ守ることができれば、収益事業を行い、その利益を法人の活動経費に充てること、法人の目的を達成するために使うことは何ら問題ありません。

一般社団法人の役員に報酬を、職員に給料を支払うことももちろん可能です。

「非営利」とは、「利益を上げてはいけない」ことではありせんので、誤解のないようにしておきましょう。

《参考》一般社団法人は給料を受け取ってもいいの?

また、一般社団法人はNPO法人とは異なり、法人設立後に行政機関に監督されることがありません。

事業内容にも制限はありませんので、どのような事業でも自由に行うことができます。

逆に言うと、法律を遵守し、自主的、自立的な運営を行う必要があるということでもあります。

一般社団法人の役員には任期があり、役員任期ごとに法務局に役員変更登記を必ず行わなければなりません。

その他にも、毎事業年度の決算終了後に決算公告を行い、財務状況などの情報公開を行う必要があります。

事業年度ごとに、貸借対照表や損益計算書等の計算書類、事業報告書を作成して定時社員総会に提出し、計算書類に関しては社員総会の承認を受けます。

監事設置法人であれば、監事による監査を受ける必要があります。

社員総会で承認を受けた貸借対照表は、法人の定款で定めた公告方法により公告を行います。

一般社団法人の設立の為に準備するもの

ここまで一般社団法人を設立するための要件を見てきました。

次に、一般社団法人を設立するために準備しなければならないものも見ておきましょう。

設立登記申請において欠くことのできないものばかりです。設立手続きに入る前にご確認ください。

(1)設立時社員の印鑑証明書

設立時の社員となる人、全員分の印鑑証明書が各1通ずつ必要です。

設立時社員の方の印鑑証明書は、公証人役場に提出しますが、提出する時点で発行から3ヶ月以内のものが必要です。

設立時社員が法人の場合は、その法人の印鑑証明書と登記事項証明書(登記簿謄本)が必要です。こちらも共に発行から3ヶ月以内のものが必要です。

(2)設立時役員の印鑑証明書

設立時の理事に就任する人、全員分の印鑑証明書が各1通ずつ必要です。

設立時役員の印鑑証明書は、法務局に提出しますが、提出する時点で発行から3ヶ月以内のものが必要です。

理事会を設置する場合は、代表理事以外の理事に就任する人は印鑑証明書以外の住民票や免許証のコピーに原本証明をしたもの等でも構いませんが、役員全員が印鑑証明書を用意すれば間違いありません。

尚、設立時社員と設立時役員が同一人物の場合、印鑑証明書は各1通、合計2通準備しておきましょう。

(3)個人の実印

印鑑証明書に登録されている個人の実印を用意します。

設立時社員個人の実印は、定款や設立時理事の選任、主たる事務所所在場所の決定書等の書類に押印します。

設立時役員の個人の実印は、就任承諾書、設立時代表理事選定書等の書類に押印します。

(4)法人の実印

設立する一般社団法人の実印となる「法人実印」を用意します。

法務局へ設立登記の申請を行う際に登録する印鑑が、一般社団法人の「法人実印」となります。

法人実印は一般社団法人設立登記申請書や登記委任状等にに押印します。

法人実印の他、銀行印、認印、ゴム印なども揃えておくと、設立後の法人運営事務がスムーズです。

法人実印は各種契約時に、銀行員は銀行口座の開設時に、角印は請求書や領収書に押印するいわゆる認印のようなものです。

印鑑を発注してから納品されるまで時間がかかることがあるので、設立を早くに行いたい場合は、名称調査が済んだ時点で注文しておきましょう。

街のハンコ屋さんよりもインターネットの方が安価で購入できるケースが多いので、印鑑の材質等にこだわりがないということであれば、ネット上のハンコ屋さんで注文されるとよいかと思います。

ただ、印鑑は何十回、何百回と使用するものでありますので、あまりにも安すぎるものはお勧めできません。

なお、弊社でも法人実印の販売をしておりますので、ご入用の際はご利用くださいませ。品質重視、最短即日発送も可能です。

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(5)主たる事務所の住所

一般社団法人の活動拠点を「主たる事務所」といいます。

株式会社の本店所在と同じような意味合いです。

この主たる事務所の住所は、定款には最小行政区までの記載で構いません。

例えば、「東京都中央区」「兵庫県神戸市」「神奈川県横浜市」などの記載で留めることができますが、法務局へ登記申請をする際には、正確な番地までの記載が必要になります。

なお、主たる事務所をどこに置くかの制限は特にありません。

賃貸事務所、テナント、レンタルオフィス、バーチャルオフィスなど法人登記が可とされているところであれば、どこでも構いません。ご自宅でももちろん大丈夫です。

ただし、ご自宅の場合でもマンション・アパートなどを主たる事務所とする場合は、登記の前にその物件のオーナーや管理組合などに「事業用として物件利用が可能か」の確認を取っておきましょう。

仮に不可の場合でも登記自体は出来てしまいますが(法務局で審査があるわけではありません)、契約違反となり何らかの罰則、ペナルティーが課せられる可能性があります。

もし退去を命じられた場合は、設立登記をしてすぐに移転登記を行わなければならなくなります。

主たる事務所の選定は関係各所に十分に確認を取ってから行うようにしてください。

《参考》一般社団法人設立の必要書類 / 一般社団法人の設立に必要な費用(法定費用)

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